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それじゃあ、お邪魔しまーす

 雷獣の雷波らいは住処すみかから人間たちを追い払ったら求婚されたんだが……。


「えっと、いきなりそんなこと言われても困るんだけど」


「あっ、もしかして雅人まさとは大人っぽい方が好みなの? それなら今すぐ」


「いや、そのままでいい」


「え? このままでいいの?」


「ああ、じゃないと雷波らいはを支えられなくなるから」


「え? そうなの? てっきりこういうちっちゃな女の子が好きなのかと思った」


「いやいや、そんなことないから」


「ホントにー?」


「ああ、本当だ。それより早く離れてくれ」


「やだ! 私、雅人まさとから離れたくない!」


 彼女は僕の肋骨ろっこつが悲鳴をあげていてもギュッと僕を抱きしめている。僕はお前の木じゃないぞー。


「お兄ちゃんを困らせないで! ほら、早く離れて!!」


 夏樹なつき(僕の実の妹)が彼女を僕から離そうとするが接着剤でくっついているかのように離れる気配がない。


「はぁ……じゃあ、こうしよう。お前、僕の中に入れ」


「え? それって雅人まさとの体の中に入るってこと?」


「ああ、そうだ。それならずっと一緒にだろ?」


「分かった! じゃあ、そうする!」


「お兄ちゃん! こんなやつを体の中に入れたら危ないよ! 絶対死んじゃうよ!!」


「大丈夫だよ。雅人まさとは雷獣拳使えるんだから。ね? 雅人まさと


「え? あー、そういえば、そうだな。というか、あの雷獣の力ってお前のだったのか」


「うん! そうだよ! まあ、今さっき思い出したんだけどね!」


「そうか。なら、大丈夫だな」


「だねー。それじゃあ、お邪魔しまーす」


 彼女は僕の体の中に入ると嬉しそうに手足をばたつかせた。


「よし、じゃあ、帰るか。童子わらこ、学校まで頼む」


「はい」


夏樹なつき、早く手を繋がないと置いていかれるぞ」


「え? あー、うん、そうだね。ごめんなさい」


 いいなー。お兄ちゃんの体内なか、私も入りたいなー。

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