褐色ケモ耳娘か……。
工事現場に行くと重機がちらほらあり、その周囲におじさんたちがせっせと雷獣の雷波の住処を荒らしていた。彼らにその自覚はないが、彼女にとってはガチギレ案件だ。
「あのー、すみません。今すぐ工事をやめてもらっていいですか?」
「無理に決まってるだろ! とっとと失せろ! ガキ!」
「そうですか。分かりました。では、全員この世からいなくなってもらいます」
「ふんっ! やめるものならやってみろ!」
その直後、雷獣の雷波が工事現場に雷に落とし始めた。まあ、重機やおじさんたちの周囲にだが。
「な、なんだ!?」
「落ち着け! ただの落雷だ!!」
「ただの落雷じゃありません。ここに住んでいる雷獣という妖怪の怒りです」
「ら、雷獣?」
「そ、そういえば、俺のばあちゃんが昔言ってた! ここは雷獣様の住処だから絶対に荒らしちゃダメだって!」
「な、何!? それを早く言え!!」
「す、すみません! 今の今まで忘れてました!!」
「そうか。なら、仕方ないな。今回の仕事は放棄しよう。じゃないと本当に殺されちまう」
おじさんたちは重機と共にさっさとその場からいなくなった。あー、そういえば、おじさんたちには雷波の姿は見えてなかったみたいだな。ということは、僕はもうほぼ人間じゃないってことか。
「雅人ー!!」
「うわっ! ちょ! 誰だ! 君は!!」
「誰って私だよ! 雷波だよ!!」
「え? 雷波? あれ? さっきまででっかい狼みたいな姿じゃなかったか?」
「あれだと雅人に抱きつけないから人型になったんだよ!! ねえねえ、私かわいい?」
「え? あー、うん、かわいいよ」
「本当! 良かったー」
褐色ケモ耳娘か……。えーっと、一応、秘部は体毛で隠してるな。というか、まだ子どもじゃないか。親はどこにいるんだ?
「なあ」
「んー? なあにー?」
「お前、親はいないのか?」
「親? うーん、昔はいたけど、今はいないよ。私が雷を操れるようになったらどこかに行っちゃったから」
ふーん、まあ、妖怪だからそんなものか。
「そうか。あー、でも、そろそろ離れてほしいなー」
「えー! なんでー!」
「なんでって、そりゃあこんなに引っ付かれたら動きづらいからだよ」
「ふーん。あっ、そうだ! ねえ、雅人」
「ん? なんだ?」
「私、雅人のお嫁さんになるー!!」
「え? ええええええええええええええええええええええええええええええ!!」




