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アリシア・ブラッドドレイン

 小さい頃の僕を知っている美幼女に血を吸われた。しかし、特に何も起こらなかった。


「どうだ? 何か思い出せたか?」


「いや、別に」


「そうか。まあ、おそらく誰かがお前の記憶に鍵をしているのだろう」


「えっと、君の名前を教えてくれないかな?」


「ん? あー、そういえばまだ名乗ってなかったな。はアリシア! アリシア・ブラッドドレインだ!」


「ブラッドドレイン……。なんか聞いたことあるぞ。たしか吸血鬼の名家だったはずだ」


「ほう、知っていたか。だが、気をつけろ。なんでもその名を持つ吸血鬼は気に入ったものを溺愛する性質があるらしいからな」


「いや、それ君も該当するよね?」


「まあ、そうだな。だが、安心しろ! われは基本的に誰も愛さぬ!!」


「えー、本当かなー?」


「まあ、つまり例外があるということだ。チラッ」


「な、なんだよ」


「察しの悪いやつだな。まあ、その、なんだ。お、お前はその例外だということだ」


「え? そうなのか?」


「ああ、そうだ。この世界の誰よりもわれはお前のことを愛している。その証拠にわれ今日こんにちまで純潔を守ってきた! どうだ! すごいだろう!」


「要するにずっと引きこもっていたということかな?」


「失礼な! こう見えてわれは旅人なんだぞ!」


「へえ、そうなんだ。移動大変そうだな」


「基本的に夜間移動するから問題ないぞ」


「え? 飛行機使わないのか?」


「あんな鉄のかたまりに乗るくらいなら死んだ方がマシだ!」


「へえ、それじゃあ、船にも乗らないのか」


「ああ、そうだ。鳥やイルカを見ながら移動している」


「へえ、そうなんだ。砂漠は?」


「死にはしないがつらい。地獄だ」


「そっかー」

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