849/1939
本当だよ
福与(僕と『はじまりの座敷童子』の娘)は僕のそばにいないと生きられないらしい。だとすると、他者から見えなくなる結界を展開した上で一緒に登校する必要があるな。
「童子、今の話本当だろうな?」
「本当です。信じてください」
「それは本人に訊いてからにするよ。なあ、福与。今の話本当か?」
「本当だよ」
「そうか。なら、信じよう」
「その子が嘘をついている可能性は?」
「ないな。僕と箱入り娘の子だから」
「なるほど。では、結界を展開しますね」
「ああ、頼む」
よし、これで一緒に登校できるな。
「福与、朝ごはん食べたらすぐ学校に行くけどいいか?」
「あー!」
「ありがとう。お前はいい子だな」




