娘だよ♡
うーん、どうして生まれてくるのは女の子なんだろう。不思議だ。
「ふわあ……あっ、お父さん、おはよう……って、あれ? ねえ、お父さん、その子だあれ?」
「あー、えーっと、この子は僕の」
「娘だよ♡」
「……え? む、娘?」
「あー、まあ、そうだな」
「お母さんは誰なの?」
「『はじまりの座敷童子』だ」
「へえ、そうなんだ」
姫凛(僕と凛の娘)は福与(僕と『はじまりの座敷童子』の娘)をスキャンするかのように目をゆっくり動かしている。
「あー、あー」
「どうしたんだ? 福与。朝ごはん食べたいのか?」
彼女は僕の頭の上に乗るとスウスウと寝息を立て始めた。その様子を見た夏樹(僕の実の妹)はこんなことを言った。
「寝るの早すぎ」
その後、姫凛が「たしかに」と言った。僕はそれに反応して「だな」と言った。
その直後、どこからともなく座敷童子の童子が僕の部屋に現れた。
「みなさん、おはようございます。新しい家族が気になるのは分かりますが、早くしないと遅刻しますよ」
『はーい』
「あっ、童子。ちょうどよかった。この子のこと任せていいか?」
「それは無理です」
「え? なんでだ?」
「その子は雅人さんのそばにいないと死んでしまうからです」
「……え?」




