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ダメ!!!

 ん? なんかリビングから物音がするな。


「誰かいるのか?」


 電気は消えているから真っ暗だけど、やっぱり物音がする。


「おーい」


「お、にい、ちゃん……」


夏樹なつき? 夏樹なのか?」


「こ、来ないで……」


「どうした? お腹痛いのか?」


「ちが、う……」


「なら、どうしてそんなに苦しそうなんだ?」


「わから、ない……」


「分からない? えっと、とりあえず電気を」


「ダメ!!!」


 まるで世界を終わらせるボタンを押すなとでも言わんばかりに彼女は強く僕にそう言った。


「わ、分かった。えっと、僕に何かできることはあるか?」


「ない……。あ……今の嘘。お願い。そばに、いて……」


 さっき来ないでって言ってなかったか? うーん、まあ、いいや。


「分かった。えっと、お前は今ソファにいるんだよな?」


「うん……」


「じゃあ、今からそっちに行くぞ」


「うん……」


 僕が彼女の手を握ると彼女は少し落ち着いた。


「ありがとう、お兄ちゃん」


「どういたしまして。でも、こんなの初めてだな」


「うん」


「心当たりは?」


「ある」


「それって何なんだ?」


「私がお兄ちゃんに恋してるからだよ」


「え?」


「私の髪がね、お兄ちゃんを欲しがってるの。でも、私はそんなことしたくないの」


「それって僕を物理的に食べたいってことか?」


「ううん、多分同化したいんだと思う」


「そうか」


「怖くないの?」


「全然怖くないよ。生理現象だろ?」


「まあ、そんな感じ」


「だったら怖くないよ」


「そっか」

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