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恋は盲目

 僕は座敷童子の童子わらこと一緒に春巻きを作っている。


「春巻きという名称の由来、ご存じですか?」


「えっと、立春の頃に新芽が出た野菜を具材にして作られた料理だからだったかな?」


「まあ、及第点ですね」


「え? 他に何かあるのか?」


「一応あります。私が今考えたものが」


「へえ、どんなのだ?」


「春のように初々しい私の恋心をギュッと詰め込んだこの料理を大好きなあの人に食べてほしい。というものです」


「それ、餃子でもいいんじゃないか?」


「あれは私の耳を甘噛みしてほしいという意味です」


「え? そうなのか?」


「はい、そうです」


「そうかー。じゃあ、汁物は?」


「それはもちろん私の」


「あっ、ごめん。やっぱり言わなくていいよ」


「そうですか」


 言われなくても分かるよ。絶対体液だから。


雅人まさとさん」


「なんだ?」


「好きです」


「知ってるよ」


「私をあなたのものにしてください」


「えー」


「私にはあなたが必要なんです。あなたがいないと私はおかしくなってしまいます」


「うーん、それって僕に依存してるだけなんじゃないのかなー」


「違います」


「ほら、恋は盲目って言葉もあるし」


「あなたのためなら世界を滅ぼせます」


「僕は神でもなんでもないぞ」


「そうでしょうか? あなたはとても魅力的な男性ですよ」


「そうかなー」


「はい、そうです」


 僕たちはそんなことを話しながら春巻きを作った。

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