カリギュラ効果か……
姫凛(僕と凛の娘)が僕の体を洗ってくれている。
生後一日ちょっとなのに僕の体を熟知しているのはやはり僕の血を飲んで成長しているからだろうか。あと、妙に色っぽい。無意識のうちにドキッとしてしまう。
「ねえ、おとーたん」
「な、なんだ?」
「おとーたんのそれ、とっても苦しそうだよ。わたちがすっきりさせてあげようか?」
どうしていちいち耳元で囁くんだろう。
「いや、いい。そのうち萎えるから」
「ふーん、そうなんだ。でも、わたちがおとーたんのそばにいる限り、きっとそれは元気なままだよ」
「だとしても僕はお前にこれを触らせるつもりはない」
「そっか。よし、じゃあ、その気にさせちゃおう♡」
「お前、僕の話ちゃんと聞いてたか?」
「うん、聞いてたよ。でも、しちゃダメって言われたら余計にしたくならない?」
「カリギュラ効果か……」
「かり、何?」
「鶴の恩返しの終盤にある現象みたいなものだ」
「あー、決して部屋を覗かないでくださいって言われてたのに部屋覗いちゃうやつね」
「ああ、そうだ。要するに拘束しすぎると逆に暴走しやすくなるということだ」
「なるほどー」
「だ、旦那様! 私も一緒に入ってもいいですか!」
「あー、それは別にいいけど……。全部、見えてるぞ」
「え? あっ! ご、ごめんなさい! 見たくないですよね! こんな貧相な体なんて!!」
「別にいいと思うぞ。これから大きくなる可能性があるって証拠なんだから」
「そ……そうですよね! よおし、明日から頑張るぞー!」
「おかーたんって詐欺とかに引っかかりそうだよね」
「それ、絶対本人に言うなよ」
「うん」




