生後、一日弱
次の日の朝、僕が目を覚ますと目の前に姫凛(僕と凛の娘)がいた。
「おはよう、おとーたん」
彼女は僕の額におはようのキスをすると僕の首筋に噛みついた。
「おはよう。というか、お前いつのまに立てるようになったんだ?」
「あむあむあむ……。あー、おいしかった! うーん、いつからだろう。朝起きたらなんか立てるようになってたよ」
「そうか」
生後、一日弱で立てるようになったってことか。まあ、人間と妖怪の混血だからこんなもんか。
「おとーたん、早く朝ごはん食べに行こう」
「分かった」
「おとーたん」
「ん? なんだ?」
「おんぶして」
「え? あー、いいぞ。ほら、乗りな」
「わーい! やったー! おとーたん、大好きー!」
「ありがとう。よし、じゃあ、行くか」
「うん!」
エネルギーの塊だけど、一応僕の娘なんだよな。こいつ。
「ねえ、おとーたん」
「なんだ?」
「いつ私と結婚してくれるの?」
「うーん、僕が高校を卒業しないと無理だなー」
「そっかー。早く卒業できるといいね!」
「あ、ああ」
こいつは本気で僕と結婚する気でいる。そんなことになったら多分僕は毎日こいつに求められるだろう。はぁ……卒業までになんとかしないといけないな。
「あっ! 旦那様! 姫凛ちゃん! おはようございます! 朝ごはんできてますよー」
「ありがとう、凛。おい、姫凛。お母さんが朝ごはん作ってくれたぞー」
「ふんっ! わたち、おとーたんの手料理しか食べたくないからおかーたんのはいらない!」
「ガーン!!」
「おいおい、せっかく作ってくれたんだから少しくらい食べてあげたらどうだ?」
「やっ!」
「そうか……。うーん、困ったなー」




