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おとーたん、行かないで
姫凛(僕と凛の娘)を寝かしつけた後、僕は自室から出ようとした。すると、姫凛に手を握られた。
「おとーたん、行かないで」
「仕方ないな。よしよし、僕はここにいるぞー」
彼女は幸せそうな笑顔を浮かべている。今日生まれたばかりだけど、ものすごく頼りにされてるなー、僕。
「ゆっくりでいいからいい子に育ってくれよー」
「雅人さん、晩ごはんができました」
「そうか。悪いけど、ここまで持ってきてくれないか? 多分朝まで離してくれないから」
「分かりました」
座敷童子の童子はそう言うと数秒間部屋からいなくなった。
あっ、僕が学校に行ってる間、誰にこの娘を預ければいいんだろう。うーん、童子でいいか。




