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火取り魔

 ああ、腹が減った。そうだ。そのへんの家から少し分けてもらおう。


「すみませーん。少し火を分けてもらえませんかー?」


「え? いやあああああああああああ! 今すぐここから出ていかないと警察呼ぶわよ!」


「分かりました。では、失礼します」


 はぁ……まあ、火に足が生えたような妖怪がいきなり来たら誰だってビックリするよな……。


「お困りのようですなー」


「ん? あんた、誰だ?」


「なあに、名乗るほどの者ではありません。ですが、この家に行けばあなたの悩みを解決できますよ」


「本当ですか?」


「ええ、本当ですとも。ただ、この家には結界がありましてなー」


「大丈夫です。とりあえずインターホンを鳴らせば誰か出てきますから。すみませーん! 誰かいませんかー!」


 いいぞ、その調子だ。


「はーい」


 ほう、この家には座敷童子がいるのか。いいなー。


「おやおや、この家には座敷童子がいるんですねー」


「悪いですか?」


「いいえ。それより火を分けてほしいのですが」


「地獄に行けば、いくらでもありますよ」


「あれは無理です。とても食べ切れません。それにとっても食べにくいんです」


「火取り魔のクセにこだわり強いんですね」


「人間に個性があるように妖怪にも個性はあります。それはあなたもよく分かっているでしょう?」


「ええ、まあ。はい、どうぞ」


「おお! 今のはもしや、文字の力ですか!」


「え? あー、まあ、そうですが」


「すばらしい! できれば、もう一度やってみせてください!」


「え? あー、まあ、別にいいですけど」


「ありがとうございます! あー、今日はなんていい日なんだ! 生きててよかった!!」


「大袈裟です」


 ん? ネズミが一匹家に侵入しましたね。バカ鬼、緊急事態です。やつが来ました。

 え? あー、分かった。でも、あいつ存在感ないからなー。心が乱れれば、そんなの関係ありません。

 はいはい、そうですねー。よし、じゃあ、やりますか!

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