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山頂にある神社
次の日の放課後……山頂にある神社……。
「ねえねえ、早くあたしの魂をあたしの体に戻してよー」
「あなたは少し黙っていてください。木葉さん、棺を開けてください」
「本当に大丈夫なんですか? 童子さん」
「安心してください。このバカ鬼が何かやらかそうとしたら私と夏樹さんが全力で止めますから」
「え? 私も止めるの?」
「あなたの髪は何かと便利なのですよ。だから、連れてきたんです」
「え? そうなの?」
「はい、そうです」
「へえ、そうなんだ。でも、嬉しいな。それって童子ちゃんが私を頼りにしてくれてるってことだよね?」
「さて、それはどうでしょう」
「えー、そこは素直に認めようよー」
「あ、あのー、もう開けてもいいですか?」
「はい、いつでもいいですよ」
「では、開けます」
「ワクワク! ドキドキ!」
「うるさいですよ、バカ鬼」
「黙れ、座敷童子」
「二人ともケンカしないでよー」
そんなこんなで鬼姫は自分の体を久しぶりに見ることができた。まあ、その間僕はずっと鬼姫に体を貸していたから神社での出来事はこれっぽっちも知らない。後日、彼女たちからその話をされるまでは……。




