十王クラスの力
……眠れない。というか、全身痛い。全身筋肉痛になったのかな? いや、それはないな。なら、その痛みはいったい。
「ねえ、もうそろそろいいんじゃない?」
「鬼姫、それはいったいどういう意味だ?」
「言わなくても分かるでしょ? もうあんたの体は限界なのよ。だから……早く楽になりなさい」
「嫌だね」
「は?」
「僕は死ぬまでお前と生き続ける。そうすれば、僕の代でお前という呪縛は終わる。そうだろ?」
「まあ、そうね。けど、もしそうなったらあたしはこの世界を私の体にするわよ?」
「何? それはこの星をお前の器にするということか?」
「そうよ。まあ、多少の妨害はあるだろうけどね」
「だろうな。でも、僕はそれを絶対に阻止するぞ」
「あんたにできるの? というか、あたしの力なしであたしを止められると思ってるの?」
「僕だけじゃ無理だな。でも、僕たちなら可能かもしれない」
「僕たち、ね。まあ、十王クラスの力があれば止められるかもしれないわね」
「え? お、おい、今のは本当か? なあ、おい」
「うるさいわねー、ただの独り言よ。じゃあ、おやすみ」
「え? あ、ああ、おやすみ」
こいつ、どうして僕にその情報を……。いや、深く考えなくても分かる。こいつはきっと……。




