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一番

 鬼姫ききは私の猛攻撃に対応するのがやっとでした。そんなわけで彼女はおとなしく文字使いたちに文字の力を返しました。


「何をしているんですか? 早く謝罪してください。それとも今すぐ地獄に行きますか?」


「……ごめんなさい」


「聞こえませんねー。もっと大きな声で言ってください」


「ご、ごめんなさい! もうしません!!」


「はい、よくできました。ということで、私たちはこれで失礼します。ほら、早く行きますよ」


「はいはい」


「うむ、気をつけるのじゃぞ」


 今回の一件は鬼姫に勝利し文字の力を持ち主に返還させたことでチャラになりました。まあ、長老がみなさんにそれを提案していなければ私はきっと今頃……。


「ただいま戻りました」


「おかえりー、あれ? お兄ちゃんの意識ないけど、大丈夫なの?」


「大丈夫です。眠っているだけですから」


「そっか。なら、いいや」


「怒らないのですか?」


「え? なんで?」


「理由はどうであれ、私はあなたの……夏樹なつきさんの兄である雅人まさとさんの体を借りてしまいました。雅人さんの意識が一生戻らない可能性があるというのに」


「お兄ちゃんなら大丈夫だよ。だって、私のお兄ちゃんだもん!」


「どうして言い切れるのですか?」


「お兄ちゃんは私の一番だからだよ」


「は、はぁ」


「それで? お兄ちゃんはいつ頃目を覚ますの?」


「おそらく数時間後です」


「おそらくねー。まあ、いいや。よし、今日は私が晩ごはん作ろう!」


「手伝います」


「ありがとう、童子わらこちゃん。助かるよー」

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