キャタピラレッグ
座敷童子の童子が正気に戻らない。いったい彼女の身に何が起きているんだ?
「それじゃあ、学校行ってきまーす」
「ダメー! 行っちゃやだー!」
「童子、いい加減にしろ。幼児退行するほど疲れてるのか?」
「お願い! 行かないで! 一緒にいてー!」
「はぁ……困ったなー。ねえ、千夏さん、どうしたらいいと思う?」
「え!? え、えーっと、何かで気を逸らしてその隙に家を出ればいいんじゃないですかね」
「うーん、やっぱりそうするしかないのかなー。なあ、童子。留守番できるか?」
「できない!」
「そうかー。じゃあ、僕たちが帰るまで眠らせておこう」
僕が指をパチンと鳴らすと童子は睡魔に襲われてしまった。
「これでよし。おーい、カプセルン」
「何ですかー?」
「童子をソファまで運んでくれないか?」
「はーい、分かりましたー」
カプセルンはアームで童子を抱きかかえるとキャタピラレッグを生やしてからリビングに向かって進み始めた。
「よし、じゃあ、行くか」
「え、えっと、あのカプセルはいったい」
「え? あー、えーっと、人造妖怪の一人が入っていたカプセルだよ」
「は、はぁ」
「ん? あんまり驚かないんだな」
「えっと、毎日驚きの連続なのでまあまあ慣れました」
「そっかー。うーん、なんかどう反応したらいいのか分からないな。慣れてほしいという気持ちと慣れないでほしい気持ちがあるから」
「私、ちょっと自分のことが怖くなってきました。いやあ、慣れって怖いですねー」
「だなー」




