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ミニミニ九ちゃんだよー!

 昼休み。


「二年の山本やまもと 雅人まさとくん、校長先生がお呼びです。至急、校長室まで来てください。繰り返します。二年の山本 雅人くん、校長先生がお呼びです。至急、校長室まで来てください」


「お兄ちゃん、呼ばれてるよー。何かしたの?」


「いや、特に心当たりはないんだが。まあ、とりあえず行ってみよう」


「いってらっしゃーい」


 校長室の前に立った僕が扉をノックしようとすると中から声が聞こえた。


「待ってたよー。早くこっちにおいでー」


「し、失礼します」


 僕が校長室に入るときつねのお面を被った着物姿の幼女二人が扉を閉めた。二人は扉の両端まで移動すると一瞬で石像になった。


「いらっしゃい。待ってたよー」


「え、えっと、僕何かしましたか?」


「えーっと、とりあえず自己紹介からしようかなー。私は九尾のきつねの髪の毛一本でできているミニミニきゅうちゃんだよー! よろしくね☆」


 そう言いながら姿を現した白髪ロングの美少女……いや美幼女は白いワイシャツを着ている。


「あー、こちらこそよろしくお願いします。それで本題は」


「まあまあ、とりあえず座ってよ。おーい! メイドさんたちー! 雅人まさとくんにお茶出してあげてー!」


 何やら部屋の奥で物音が聞こえる。というか、この部屋広すぎないか? 部屋というより結界の中にいるみたいだ。


雅人まさとくん、早くソファに座ってよー」


「あー、はい」


 僕がソファに腰掛けると彼女は僕の膝の上に座った。


「あ、あのー」


「ん? 何かな?」


「僕の膝に座らないでください」


「は? ここは私の部屋なんだよ? 私が何をしようと私の勝手でしょ?」


「いや、でもこんなに近くにいたら少し緊張してしまいます」


「なあんだ、そういうことだったのかー。それならそうと早く言ってよー。まあ、話が終わるまで離れる気ないけど」


「は、はぁ」


 なんだろう。常に心臓を握られてるような気がする。


「えっと、本題は」


「あー、そうそう。今日ねー、殺生石が壊れてることに気づいたんだよ」


「え、えっと、つまり僕はその石を直せばいいんですね?」


「ううん、違うよ。あれ、ただの抜け毛だからどうでもいいんだよ」


 へえ、そうなんだ。まあ、この子がいる時点でなんとなく分かってたけど。


「そうですか。じゃあ、どうして僕を呼んだんですか?」


「あー、それはねー」


 彼女は僕の耳元でこうささやく。


「君のこと味見してみたかったから呼んだんだよ」


「味見?」


「うん、味見。まあ、直接は無理だろうから君の髪の毛一本私にちょうだい!」


 髪の毛、ねー。はぁ……こんなことならネズミか油揚げ持ってくれば良かったなー。

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