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ノープランです

 例の兄妹がお風呂から出た後、私は静かに浴室に行きました。


「何をこそこそしているのですか?」


「ひゃあ! って、なあんだ童子わらこさんでしたか。もうー、ビックリさせないでくださいよー」


「ビックリしたのはこっちです。服を脱いでいる時に浴室にあなたが入ってきたのですから」


「あー、そういえばそうですね。ごめんなさい」


「謝る必要はありません。さぁ、さっさと入りましょう」


「はーい」


 座敷童子……。それが家にいる間は家が栄え、いなくなると廃れるという噂がある妖怪というか神様みたいな存在。

 私が湯船に浸かりながらそんなことを考えていると彼女に話しかけられた。


千夏ちなつさん」


「ひゃ、ひゃい!」


「呼び方、お兄さんで決定なんですか?」


「え!? 何でそのこと知ってるんですか!?」


「座敷童子ですから」


「そ、そんなー。はぁ……私もうお嫁にいけません」


「そんなことくらいで弱気にならないでください。あなたは私のライバルでもあるんですから」


「え? ライバルって、もしかしてあなたもお兄さんのこと好きなんですか?」


「はい」


「えー、でも見た目子どもじゃないですかー」


「あまり調子に乗るなよ、小娘」


「あー! ごめんなさい! 殺さないでください!」


「冗談です。それよりこれからどうするつもりなんですか?」


「え?」


「いや、ですからどうやって雅人まさとさんを攻略するつもりなんですか?」


「あー、えーっと、今のところノープランです」


「そうですか。では、明日から家事を手伝ってください」


「え? あー、はい、分かりました」

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