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手伝ってほしいこと?
まったく、なーにが上書き料だ。僕にイタズラしたかっただけだろ。
僕がそんなことを考えながら歩いていると千夏(黒髪ショートの女学生)が話しかけてきた。
「あ、あのっ!」
「ん? なんだ?」
「え、えっと、さっきはありがとうございました。私を助けてくれたんですよね?」
「それ、童子から聞いたのか?」
「え? あー、はい。『今日、彼はあなたの命を救いました。なので、お礼を言っておいた方がいいですよ』と」
「そっか」
あいつ、余計なことを。
「え、えっと、何かしてほしいこととかありませんか?」
「あー、そういうのいいから」
「いや、でも」
「気持ちだけで十分だよ。と言いたいところだが、少し手伝ってほしいことがある」
「手伝ってほしいこと?」




