表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
740/1937

上書き料

 行ったか……。


「あ、あの……」


「ん? なんだ?」


「そろそろ手、離してください」


「え? あー、ごめん」


 舌抜き女から逃げるのに夢中ですっかり忘れてた。


「い、いえ、大丈夫です」


 なんか顔赤いな。熱でもあるのかな?

 ど、どうしよう。この人の顔、直視できない。


「あー、えーっと」


「お兄ちゃん!」


「旦那様!」


 玄関の扉を勢いよく開けたのは夏樹なつき(僕の実の妹)とりん(狐っ)だった。

 あー、しまった。何も言わずに帰ってきてしまった。


「お兄ちゃん、大丈夫? いきなり走り出すからビックリしたよ」


「私もビックリしました! 心臓が止まるかと思いました」


「はははは、二人とも大袈裟だなー」


 僕がそんなことを言っていると座敷童子の童子わらこがヌッと現れた。


「おかえりなさい」


「え? あー、ただいま」


「ごはんとお風呂と私、どれにしますか? ちなみにオススメは私です」


「あー、えーっと、ごはんにしようかなー」


「分かりました。ん? 雅人まさとさん、何かにマーキングされてますね。上書きしてあげます」


「え? ちょ、なんだよ上書きって」


 彼女は僕の耳を甘噛みすると僕の耳に息を吹きかけた。


「い、いきなり何するんだ! 発情してるのか!」


「違います。今のは上書き料です」


「そ、そうか。で、でも、いきなりはズルいぞ」


「おや? 今朝、夏樹さんに」


「あー! ごめん! 頼むから言わないでくれ!」


「さて、それはどうでしょうね」


「そ、そんなー!」

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ