お、終わった……
私が通っている学校には人間しかいません。人間と妖怪が共存している世界にそんな学校あるのかと訊かれたら、あると答えます。
その学校にいるのはみんながみんな妖怪が嫌いなわけではありません。まあ、少しはいるかもしれませんがほとんどの人はあんな得体の知れない存在と一緒に勉強なんかしてたら授業よりもそっちに気を取られてしまうからという理由でこの学校に通っています。
ちなみに私は恐怖と苦手、半々くらいです。
さぁ、今日もバリバリ勉強しよう! と思っていましたが、新しい校舎ができるまで人間と妖怪が共学している学校で勉強することになりました。
「お、終わった……」
「千夏さん、何かあったら僕や夏樹のところに来るといいよ。じゃ」
「待ってください! 一人にしないでください!」
「学年もクラスも違うんだから、それは無理だよ」
「途中まででいいんです! お願いします!」
「はぁ……分かった。じゃあ途中まで一緒に行こうか」
「ありがとうございます! このご恩は一生忘れません!」
「大袈裟だなー、ほら早くしないと遅刻しちゃうよ」
「あー! ま、待ってくださーい!」
その様子を木陰から見ている目玉がいくつかあったが、僕は気づいていないことにした。




