もうそろそろ寝ろよー
山本家……リビング。
「さぁ、あなたの教えてください。あなたの本心を。さぁ、さぁ! さぁ!!」
「ううー! そ、そんなこと言えるわけないよー!」
黒髪ショートの女学生がリビングから出ようとするとリビングの扉が勝手に閉まった。
「な、何これ! ポルターガイスト!?」
「違います。座敷童子の能力の一つです」
「もうー! あなたのせいで私の座敷童子のイメージがどんどん怖くなっていくよー!」
「そんなのどうでもいいです。さぁ、早く教えてください。じゃないとあなたの頭を開きますよ?」
「いやー! 誰か助けてー! おかっぱ幼女に解剖されちゃうよー!」
「はぁ……もういいです。文字の力を使います」
私は人差し指で空中に『告白』と書くとそれを彼女に向けて放ちました。
「な、何それ! こ、こっちに来ないでー!」
それは彼女の胸骨あたりから体内に侵入すると彼女に告白させ始めました。
「わ、わた、しは……あの人のことが……す、す……」
「おーい、もうそろそろ寝ろよー」
「好き! 大好き! 私、あなたのものになりたいです!」
「おやおや、タイミングがいいのか悪いのか」
「え、えーっと、これはいったいどういう」
「お願いします! 私のこともっと見てください!」
「おい、童子。お前、この子に何したんだ?」
「私は彼女の手助けをしただけです」
「そうか。うーん、とりあえず朝までこの子を眠らせてくれ」
「分かりました」
座敷童子の童子が指をパチンと鳴らすと彼女はスウスウと寝息を立て始めた。
はぁ、どうして僕がいない間に余計なことするのかなー。




