猫カボチャ
夜。僕が公園に向かうと三毛猫のジョーがベンチの上に座っているのを発見した。
「どうしたんだ? 小僧。そんな怖い顔して」
「怖い? それは……彼女をあんな状態にしたお前より怖いってことか?」
「……なんだと?」
「最初からおかしいと思ってたんだよ。どうしてお前は朝から彼女を尾行していたんだ? それに妖怪たちが襲ってきた時、妖怪たちはお前をほとんど攻撃していなかった。あー、それからお前からは微かに嫌な気配を感じるんだよ。そして偶然にも今日襲ってきた妖怪たちのそれと酷似している。なあ、お前はいったい何なんだ?」
「……小僧、お前探偵になれるぞ」
「ありがとう。でも、残念ながら僕は探偵になるつもりはないよ。なぜなら……お前のような賢い妖怪を相手にした時、探偵より退治屋の方が儲かるからだ」
「そうか。だが、真実を知ったところでお前は俺に勝つことはできない! なぜなら俺は……!」
「猫カボチャだからだろ?」
「な、なぜお前がそれを知っている!」
「そんなの霊体になった彼女の記憶を奪った理由とお前の過去について考えれば、すぐに分かることだ」
まあ、どっちも僕の予想だから真実はほんの少ししか入っていないと思うが。




