お兄ちゃんの頭に
朝、目を覚ますと黒マジックで頭に角生えてるよと書かれた白い紙が天井に貼ってあるのを見つけた。
僕が頭に手を伸ばすとたしかに角が生えていた。しかも二本。
「お兄ちゃん、おはよう! ……って、お兄ちゃんの頭に角が生えてるー!」
「これが本当の鬼いちゃん……なんてな」
「お兄ちゃん、そんなこと言ってる場合じゃないよ! え、えっと、こういう時は……あっ! そうだ! 童子ちゃんに診てもらおう。童子ちゃん早く来てー! お兄ちゃんの頭に角が生えてるのー!」
「やはりそうでしたか」
「うわっ! いきなり目の前に現れるなよ」
「そんなことは今どうでもいいのです。雅人さん、体の具合は悪くありませんか?」
「え? あー、うん、今のところは」
「そうですか。では、服を脱いでください」
「え?」
「あなたの裸を見たいから言っているのではありません。私は医者としてあなたの体を診ておきたいのです」
お前、医者じゃないだろ。まあ、いいか。
「本音は?」
「……ちょっと見たいと思っています」
「正直者だな、お前は」
「隠しても隠し切れないので。さぁ、早く服を脱いでください。全部」
「全部!?」
「当然です。それともあんなところやこんなところにキスされたいんですか?」
「あー、じゃあ、脱ぐよ」
「最初からそうすればいいのです。夏樹さん、手伝ってください」
「はーい! お兄ちゃん、じっとしててねー」
「え? ちょ、二人ともなんか息荒いぞ。あっ、ちょ! やめ! ああああああああああああああああああああ!!」
 




