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退治屋
夏樹(僕の実の妹)を寝かしつけた後、僕は一人で家を出た。まあ、尾行している者が約一名いるが。
「言われた通り来てやったぞ」
「言われた? 俺は何も言っていないぞ」
家の近くにある公園に現れたのは制服を着た青年だった。
「お前はここから僕に向けて殺気を飛ばしていた。あれはもう早く姿を見せろと言っているようなものだ。まあ、そんなことよりお前に一つだけ言っておく。僕のことは煮るなり焼くなり好きにしろ。だが、夏樹に……僕の妹に危害を加えようとするやつは許さない」
「けっ! 噂通りの重度のシスコンだな。高校生にもなって妹のことが好きとかないわー。あー、気持ち悪い」
「お前のような私怨で動く退治屋には言われたくないな」
「なんだと! この野郎! もう一度言ってみろおおおおおおおおおおおおおおおおおお!!」
なぜ恨まれているのかは分からないが、こいつが退治屋で僕を殺そうとしていることだけは分かる。
さて、どうやって死のうかな……。
 




