お兄ちゃん……私、もうダメ……
今日、私が変態になったのにはわけがある。今日は私がお兄ちゃんに恋をした日。そう、初恋記念日。私は普通じゃないから実の兄であるお兄ちゃんのことを愛している。異性として恋愛対象として見ている。
お兄ちゃんになら何をされてもいいし私の全てを捧げたいと思っている。だから、私は自分の気持ちを曝け出せるように座敷童子の童子ちゃんに頼んで覚醒めのツボを押してもらった。
「……お、おまたせ……お兄ちゃん」
「おう、おかえり。えっと、どうして息切れしてるんだ?」
「え? あー、なんでだろうね」
夏樹(僕の実の妹)の様子がおかしい。明らかにおかしい。何か変なものでも食べたのだろうか。
「今日はもう寝た方がいいんじゃないか?」
お兄ちゃんが私の額に手を当てた瞬間、私の理性はついにどこかに行ってしまった。
「……お、お兄ちゃん」
「なんだ?」
「……食べたい」
「え?」
「お兄ちゃんを……食べたい」
「……え?」
「お兄ちゃん……私、もうダメ……」
「えっと、それってどういう……」
「……今すぐお前をむしゃむしゃ食べたいってことだよ! さぁ、さっさと私の一部になれえええええええええ!!」
夏樹が僕の首を掴もうと手を伸ばしたが、僕は夏樹の両手首をガシッと掴んだ。
「……なあ、夏樹」
「なんだよ!」
「もし、僕とお前が本当の兄妹じゃないとしたらどうする?」
「……え?」
 




