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つ……つーかまえた

 あれ? 座敷童子の童子わらこがソファで寝てるぞ。さすがに疲れたのかな? というか、いつのまにリビングまで移動したんだ? まあ、いいや。

 僕がソファに座ると彼女は待ってましたと言わんばかりに僕を抱き寄せた。


「つ……つーかまえた」


「うーん、まだちょっと恥じらいがあるな。あと、もう少し棒読みしてる感じをなくしたらグッとくると思うぞ」


「そうですか……。あの、雅人まさとさん」


「ん? なんだ?」


「二人の口論が終わるまで私を好きにしていいですよ、と言ったらどうしますか?」


「え? どうもしないよ?」


「……ヘタレ」


「ん? 今なんか言ったか?」


「いいえ、何も。ですが、安心しました。雅人まさとさんはまだ童貞のようですね」


「ああ、そうだよ。童貞だよ……。ん? もしかしてそういうのも文字の力を使えば分かるのか?」


「はい、分かりますよ。童貞、処女、殺人、強盗、スパイ、嘘。文字の力を使えばなんでも見抜けます」


「恋心もか?」


「ええ、まあ」


「ふーん」


「ちなみにこの家にいる人たちは全員、雅人まさとさんのことが大好きです」


「好きじゃなくて大好きなのか」


「はい、大好きです」


「今、どさくさに紛れて告白しなかったか?」


「いえ、今のは告白ではありません。報告の一種です」


「そうか」


「はい」


 二人の口論が終わるまで僕たちはそんな話をしていた。

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