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おかえりなさい! あなた!!
僕たちが家に帰ると透明人間(お姫様)が僕を抱きしめた。
「おかえりなさい! あなた!!」
「あ、あなた?」
「ねえ、お兄ちゃん。この女、今すぐ八つ裂きにしてもいい?」
「旦那様、その人を私の狐火で消し炭にしてもいいですか?」
「まあ、待て二人とも。おーい、童子ー。僕たちがいない間に何があったんだー?」
どこからともなく現れた座敷童子の童子は僕にこう言った。
「雅人さんのことを知りたそうな顔をしていたので色々話していたら好感度が急上昇しました」
「なるほど、そういうことか。えっと、とりあえずリビングまで行きたいから少し離れてくれないかな?」
「嫌です! もう離れたくありません!」
「なら、僕の動きを邪魔しないように体の位置を変えてくれないか?」
「あっ、それならいいですよ」
へえ、それならいいんだ。
「ありがとう、助かるよ」
「お兄ちゃん! この女、やっぱり追い出すべきだよ!」
「私もそう思います!」
「夏樹、凛。後で耳かきしてやるからそんなに怒らないでくれ」
「はーい!」
「分かりましたー!」
あー、良かった。二人とも扱いやすくて。
 




