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久しぶりだね

 昼休みになると校内放送で僕の名前を呼ばれた。


「二年の『山本やまもと 雅人まさと』くん、至急生徒会室まで来てください。繰り返します。二年の山本 雅人くん、至急生徒会室まで来てください」


「生徒会室か……。なーんか嫌な予感しかないなー」


 僕がそこに至るまでに夏樹なつき(僕の実の妹)やりん(狐っ娘)に行く手を阻まれたが、二人の霊力の流れを少し弄って自教室に戻るよう命じた。つまり催眠術のようなものだ。うーん、ギ○スの方が分かりやすいかな?


「会長、来ましたよー」


「やあ、久しぶりだね。まあ、とりあえず座るといいよ」


「はぁ」


 生徒会長の『飛美濃ひみの さとり』。

 見た目は幼女だが、その正体は相手の思考を読める妖怪『さとり』である。

 僕が椅子に座ると彼女は一瞬で僕の膝の上に座った。どうして向かい合うように座ったのかは分からないが、きっと意味があるのだろう。


「君、少し見ないうちに成長したね」


「そうですか?」


「うん、前は危険な色をしてたけど、今は落ち着いた色になっているよ。でも、これはきっと偽装だね。まったく、厄介な鬼だね、彼女は」


「知ってます。それより、そろそろ僕を呼んだ理由を教えてください」


「さて、なんだろうね」


「意地悪しないでください」


「ふふふふ、いやあ、かわいい後輩をいじめるのは楽しいなー」


「先輩、怒りますよ?」


「すまない。私が悪かった。許してくれ」


「別にいいですよ、それより早く本題に……」


「なあ……私は君が欲しい、と言ったらどうする?」


「はぁ?」

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