心細い
はぁ……どうして夏樹(僕の実の妹)は僕に好意がある女の子を片っ端から排除しようとするんだろう……。前世で何かあったのかな?
僕が自室のベッドの上でそんなことを考えていると自室の扉が勝手に開いた。まあ、今日うちに泊まることになった透明人間が開けただけなんだけど。
「雅人さん、まだ起きてますか?」
「うん、まあ」
「あの、その……なんというか、一人だと心細いというかなんというか……」
「人肌が恋しいから添い寝をしてもいいか……だろ?」
「は、はい」
うーん、一国の姫と同衾してもいいのかなー? いや、待て。今のはちょっとマズイな。えっと、年頃の男女が一緒に寝るのはマズイくらいにしておこう。
「何もしないと約束してくれるのなら別にいいよ」
「分かりました。約束します」
「そうか。なら、いいよ。あっ、僕のことは数名が常時監視してるから妙なことはしない方がいいよ」
ちっ……!
「わ、分かりました」
あー、何かする気満々だったんだなー。分かりやすいなー。
「じゃあ、おやすみ」
「はい、おやすみなさい」
忠告をしたおかげで彼女は九死に一生を得た。もしそれをしていなかったら朝起きた時、隣に死体が寝てて寝覚めが悪くなるところだったなー。
 




