リピートアフターミー!
夏樹(僕の実の妹)の提案により、透明人間のお姫様はしぶしぶ夏樹の妹になった。
「リピートアフターミー! お姉ちゃん♡」
「お、おね……」
「えー? なあにー? 聞こえないよー」
「お、おね……おねえ……」
「うーん、じゃあ、お兄ちゃんに変更しよう。お兄ちゃーん! ちょっとこっち来てー!」
「はいよー」
夏樹は晩ごはんの準備をしていた僕を指名した。僕は座敷童子の童子に準備を任せると二人の元へ向かった。
「おまたせ。それで僕は何をすればいいんだ?」
「えっとね、今から私が言うことを復唱してほしいの。リピートアフターミー! お兄ちゃん♡」
「え? あー、そういうことか」
「うん!」
「えっと、じゃあ、り、リピートアフターミー、お兄ちゃん♡」
「お、おに……おにい……ちゃん」
「おっ! お兄ちゃんだと抵抗少ないみたいだね。でもあともう一押し必要だね。お兄ちゃん、もう一回言ってみて」
「お、おう。り、リピートアフターミー、お兄ちゃん♡」
「お、お、お……おにい、ちゃん」
「そう! そうだよ! この人はお兄ちゃんだよ! そんでもって私はあなたのー?」
「お、おねえ、ちゃん」
「よくできました! お姉ちゃん嬉しいよー!」
「は、はぁ」
な、なんだろう。無理やり言わせてる感しかないな。まあ、良くも悪くもこれが夏樹だからなー。




