僕そっくり
最初は嘘だと思った。しかし、目撃者が多数現れたことにより、嘘は嘘ではなくなった。
合わせ鏡の中から僕がたくさん現れたのである。容姿は僕そっくりだが性格は皆違っていた。
「この町の平和は俺が守る!」
「僕の計算によるとこの町にいる妖怪が犯罪を起こす確率は」
「自由に行こうよ、人生は」
「俺は光だ。故に俺より速いものは全て排除する」
「深き闇より顕現せよ、我が力の恩恵を受けしもの……その名は!」
「ヒャッハー! かわいい子がいっぱいだー!」
「そこのお姉さん、これから僕とお茶しませんか?」
「やあやあ、我こそは鬼の力をこの身に宿した半妖である!」
「オラの田んぼ、どこ行ったんだー?」
「はぁ……どうせ僕なんて」
「よう! ボウズども! ゲームなんかやってないでおにごっこしようぜ!」
「くっくっく……もうすぐこの国は僕のものだ。くっくっく」
「御用だ! 御用だ!」
「瞬殺の! ファーストインパクト!!」
「生きろ!!」
「思い、出した! 綴る! 来いよ! サラトガ!!」
「クリムゾンブラッドの血脈を継ぎし者、山本 雅人が全妖怪の枷を解き放つ。来やがれ! 五番目の妖怪、なまはげ!!」
「デーモンチェンジ! 鬼の勇者! デーモンレッド!」
「変身!!」
「デーモン! セットオーケー! よいしょ! デーモンアームズ! 鬼姫出陣、えいえいおー!」
「オールヒール! オープン・マイ・マインド! 天空に咲く一輪の花、ヒールシエル!」
「ダークネス、マスター。バーストドライブ、ダークネスリベレーション」
「絶望を与える暗黒の戦士、ダークネスマスター」
「ダークネス、マスター」
うわあ……思ったより大変なことになってるな。
「はぁ……どうして……どうしてこうなったあああああああああああああああああああ!!」




