結界の日、雲外鏡再び、合わせ鏡
えんらえんら事件が起こったことにより家の結界が強化された。最初、どんな構造にしようか迷っていたようだが僕が粉ふるいを使っているところを見て結界の内側にふるいのような構造をした結界をいくつも作った。
途中から自力で作るのに飽きたため自動で毎秒千個ほど作る結界を複数作ったらしい。
もう少し別の方法でセキュリティを強化できないのかなーと思ったがそんなことを言ったら襲われかねないため口に出さなかった。
座敷童子の童子は勝手にこの日を結界の日にした。
*
次の日。
「……はぁ」
「お久しぶりです。雲外鏡です!」
「え? あー、うん」
「おやおや、朝から元気がないですねー」
「え? あー、まあ、ちょっとな」
「雅人さん、あなたは力を求めていますね?」
「うーん、力というか……僕がもう少し敏感だったらなーって」
「世の中には感度が三千倍になる薬なんてものがありますが、そんなものを飲んだらきっと感じすぎて数秒でいってしまいます」
「だろうな」
行くと逝くとイクをかけたんだろうなー、きっと。
「そんなあなたに鏡の国で作った合わせ鏡をプレゼントします!」
「合わせ鏡?」
「はい、そうです。これを使用すると別次元の自分と融合することができるとかできないとか」
「なんだよ、それ」
「まあまあ、物は試しです。とりあえずあなたの部屋に設置しておきますねー。あっ、今回は無料でご提供しますので料金のことは考えなくていいですよー。ではではー」
「え? あー、うん」
僕は部屋の壁に設置された合わせ鏡を視界に入れたが遅刻しそうだったためさっさと部屋を出た。
 




