表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
633/1937

伝説のきのこ

 放課後、旦那様と夏樹なつき(旦那様の実の妹)さんは部活をしに行ってしまいました。

 部活が終わるまで待っていても良かったのですが、私は先に帰ることにしました。

 これからお話しするのは下校中に体験したものです。


「お嬢ちゃん、今帰りかい?」


「え? あー、はい」


 頭に小さなきのこが数個生えている小柄なおじさんが私に話しかけてきました。


「お嬢ちゃんは中学生かな?」


「いえ、高校生です」


「高校生? 最近の高校生は小学生並みの身長なんだねー」


「女の子の身長と体重と年齢のことについて言うのは失礼なので覚えておいた方がいいですよ」


「ありがとう、覚えておくよ。ところでお嬢ちゃんは駒回しをしたことはあるかい?」


「はい、あります」


「じゃあ、おじさんと勝負しようよ」


「勝負?」


「ああ、もし勝てたら伝説のきのこをあげるよ」


「伝説のきのこ、ですか?」


「ああ、そうだよー。食べると大人になれるきのこだよー」


 お、大人に……!


「なるほど。分かりました。私、やります」


「よおし、じゃあ近くの公園まで行こうか。ところでお嬢ちゃん、名前は?」


りんです」


「そうか。凛ちゃんか、いい名前だねー」


 *


 りん(狐っ娘)、一人で帰れるかなー? 心配だなー。


「二人とももう帰っていいわよ」


「え? いや、でも」


「二人のおかげで予定より早く依頼を達成できたから大満足よ。というか、雅人まさと。あんた、さっきから凛ちゃんのことばかり考えてたでしょ?」


「え? あー、まあ、そうだな」


「だと思った。あの子、しっかりしてるように見えるけど、まだまだ子どもなんだから目を離しちゃダメよ」


「そ、そうだな。悪い、みんな。じゃあ、また明日な」


「ええ、また明日」


 俺の幼馴染である『百々目鬼(とどめき) 羅々(らら)』がそう言うと僕と夏樹はりん(狐っ娘)を追いかけるように走り始めた。

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ