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三日後

 それから三日後……。

 僕は放課後になると、すぐに生徒会室に足を運んだ。

 まるで何かに操られているかのように。


「……はっ! こ、ここは……」


 生徒会室の椅子に座った瞬間、彼はようやく正気に戻った。


「『山本やまもと 雅人まさと』。鬼の力を受け継いだ存在」


 生徒会長の『飛美濃ひみの さとり』は何かの書類を見ながら、そんなことを言った。


「えっと……僕はどうしてここに……」


「三日前、私は君を一時的に私の操り人形にした。だから、君はここにいる。ただそれだけだよ」


 そうか。あの『三』という文字を書かれた時から、僕は生徒会長の操り人形になっていたのか。


「さてと……それじゃあ」


 彼女は彼の右側に一瞬で移動すると、彼の両頬に手を添えた。


「君のことをもっと教えてくれないか?」


「えっと……それはどういう意味ですか?」


 もしかして会長は僕の鬼の力を狙っているのか?

 いや、でも、この力は僕の子どもが生まれないと受け継ぐことはできないはずだ。


「なるほど。君の鬼の力を受け継ぐには、君とそういうことをすればいいんだね?」


 し、しくじった!

 さとりが他人の心を読める妖怪だということは知っていたのに!!


「はははは、そんなに警戒しなくても大丈夫だよ。私は別に君をどうこうしようとは考えてないから」


「そ、そうなんですか?」


 彼女は僕の頭をポンポンと撫でると、僕のひたいに『解』という文字を書いた。


「うん、そうだよ。あと、今ので君はもう私の操り人形じゃなくなったよ」


「え? あー、はい、ありがとうございます」


 な、何なんだ? この人は?

 結局、何が目的なんだ?


「んー? 目的ー? 目的かー。そうだねー。君たちが新しく作ろうとしている部活動について、色々知りたいから、君を呼んだ。ただそれだけだよー」


「そ、そうなんですか? てっきり僕を手駒てごまにするのかと思っていました」


 彼女は彼に顔をグイと近づけると、ニッコリ笑った。


「最初はそうするつもりだったんだけど、それだと面白くないから、やめた……って言ったら、信じる?」


「そ、そうですね……。半分くらいは信じるかもしれませんね」


 彼女はニコニコ笑いながら、自分の席に座った。


「いやあ、やっぱり君は面白いねー。さてと……それじゃあ、色々聞かせてくれないかな? そう、色々と」


「は、はい」


 その後、僕は会長に新しく作ろうとしている部活動の活動内容を事細かに説明した。

 僕が説明している時、会長はずっとニコニコ笑っていた。

 何が面白いのかはよく分からなかったが、説明する側としては説明しやすかった……と思う。

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