表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
617/1937

生のお兄ちゃん

 夏樹なつき(僕の実の妹)の寝言がうるさくて眠れない。


「お兄ちゃん、そこはダメだよー」


 夢の中の僕はいったいどこを触っているんだ?


「きょ、今日のお兄ちゃん、いつもより大胆だね」


 大胆なのか。夢の中の僕は大胆なのか。


「あー! ダメダメ! そんなとこ舐めないでー!」


 夢の中の僕はいったい何をしているんだ!


「うわあ、お兄ちゃんのお兄ちゃん。すっごいねー」


 僕の僕? いったい何の話だ?


「ちゃんと入るといいなー」


 入る? いったい何が入るんだ?


「あー! やっぱりすごすぎるよー! こんなの入んないよー!」


 すごすぎる?


「む、無理やり入れないでー! 赤いの出ちゃうからー!」


 赤いの?


「ぜ、全部入ったね。お兄ちゃん」


 は?


「うん、いいよ。動いて」


 いやいや、ちょっと待て。これって、もしかして。


「はぁはぁ……お兄ちゃん。気持ち、いい?」


 よし、起こそう。このままだと色々マズイから。

 僕は夏樹の肩をする。


「おい、夏樹。起ーきーろー」


「……ん、うーん……なあに? お兄ちゃん。何か用?」


「お前、さっきまでどんな夢見てたんだ?」


「えー? 夢ー? あー、そっかー。あれ夢だったのかー。残念」


 夢と現実の区別がつかなくなってるのか?

 これは結構マズイな。


「でも、良かったー」


「え?」


「夢の中のお兄ちゃん、顔がぼやけてたからあんまり興奮しなかったんだよねー。あー、やっぱり生のお兄ちゃんの方がかっこいいなー。お兄ちゃん、ギュッてしてー」


 うーん、性欲処理ちゃんとできてるのかなー?


「はいはい」


「わーい! お兄ちゃんとハグしちゃったー。あー、幸せー。ずっとこうしていたい、なー」


 え? もう寝たのか? 早いな。


「えへへへへへ、お兄ちゃーん♡」


 うーん、まあ、いいや。

 僕は夏樹を抱きしめたまま、ゆっくり目を閉じた。

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ