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オスらしいところ
家に帰る途中、家出中の白猫がやっと目を覚ました。
「ふわあー、よく寝たー。あっ、ダーリンおはよう」
「おはよう。気持ちよさそうな寝顔だったぞ」
「キャー! ダーリンのエッチー! 私の寝顔を見て興奮してたのねー!」
「いや、別に興奮してないけど。というか、もうデート終わっちゃうぞ?」
「そうね。まあ、今回のデートはダーリンを楽しませることが主な目的だったし私も結構楽しめたから満足してるわよー」
「そうか。なら、いいんだが。あっ、そういえばおみやげもらったなー。不思議なネコジャラシ、だったかな?」
「あー、あれねー。いいものもらったわねー」
「いいもの、なのかな? ちょっと試してみたいなー」
「ダーリンにもオスらしいところあるのねー」
「いや、これはただの好奇心だよ」
「そうなの?」
「うん、そうだよ」
「へえ、そうなの。それで? 誰に使うの?」
「うーん、そうだなー。童子に使ってみようかなー」
「賛成!!」
僕たちはそんなことを話しながら一緒に帰宅した。




