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親の教育
僕が正気に戻るまで家出中の白猫は僕のことをずっと見守ってくれた。
大抵の術は時間が経てば自然と解ける。
そのことを彼女が知っていたかどうかは分からないが心配してくれたということだけは分かった。
「ダーリン、大丈夫? なんともない?」
「え? あー、うん。あれ? 女王様は?」
「家の中よ。はぁ……親の教育がなってないわねー、まったく」
猫の世界にも教育というものはあるんだな。
というか、僕は女王様に何をされたんだ?
これっぽっちも覚えていないのだが。
うーん、まあ、いいか。
僕はブツブツ文句を言っている白猫と共に女王様の家の中に入った。




