表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
59/1935

屋上とは

「おかしいわねー。あんたはあの山から出られないはずなのにー」


「今回は特別です。それより、早く私の前から消えてください。目障りです」


 鬼姫きき雅人まさとの体を借りている)は小首を傾げると、彼女にこう言った。


「どうして、あたしがそんなことしないといけないのー? というか、あんたがあたしの前からいなくなればいいと思うんだけどー?」


「相変わらず生意気なんですね、あの頃とまったく変わっていません」


 彼女はどこからともなくクナイを三本取り出すと、それらを鬼姫ききに向かって投げた。


「そうかしら? あたしって、そんなに若く見えるー?」


 それらを華麗にかわ鬼姫きき


「いいえ、まったく。これっぽっちも」


「あっ、そう。じゃあ、そろそろ消えてよ。こんなところであたしたちが戦ったら、学校ここ吹っ飛んじゃうわよ?」


 彼女はどこからともなくクナイを六本取り出すと、それらを鬼姫ききに向かって投げた。


「安心してください。そうなる前に倒しますから」


 それらを鮮やかにはじ鬼姫きき


「やれるものならやってみなさいよ。木葉このは


「望むところです」


 二人が本格的に戦闘を始めようとした時、あおい(雪女)が二人の間に割って入った。


「お二人とも! もうやめてください! 屋上ここはケンカをするための場所ではありません!!」


「じゃあ、何をする場所なの?」


 鬼姫ききの唐突な質問に対し、彼女は即座に返答できなかった。


「……うーん、まあ、休憩所かな。多分、違うと思うけど」


 雅人まさとの幼馴染である『百々目鬼(とどめき) 羅々(らら)』がそう言うと、あおいはそれを肯定した。


「そ、そうですね! そうかもしれませんね!」


「いえ、訓練場としても使えます」


 木葉このはが静かにそう言うと、鬼姫ききはそれを否定した。


「はぁ? こんなところで訓練? 狭すぎるでしょ」


「いえ、むしろ好都合です。狭い場所で戦えるようにしておくことも重要ですから」


 一瞬の沈黙が流れた。


「戦闘狂」


「殺人鬼」


 二人の殺気がぶつかりそうになった時、あおいは二人を凍らせた。


「だーかーらー! すぐにケンカを始めようとしないでください!!」


 二人が動けるようになったのは昼休みが終わる五分前だったらしい。

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ