機嫌がすごくいい
座敷童子の童子の機嫌がすごくいい。
気持ち悪いくらい機嫌がいい。
僕と手をつないでままニコニコしているしスキップしている。
きっと夕日も困惑しているぞ。
なんだ? こいつって。
「なあ、童子」
「何ですか?」
「お前、キャラ変わってないか?」
「えー? そんなことないですよー。私はいつもこんな感じですよー」
違うんだよなー。
いつもならこう、毒舌で無表情でクールで残酷で自分の気持ちに素直になれなくて苦しんでるかわいそうなやつなんだが。
「ああ、世界とはこんなにも美しかったのですね。私の目は今まで何を見ていたのでしょうか。世界ってすばらしい! 生きているってすばらしい!!」
ダメだ、こりゃ。
なんというか、頭のネジが緩んでいる。
いや、どこかに飛んでいっている状態だな、これは。
「雅人さん、今日はとっても楽しかったです。あなたと出会えて本当に良かったです!」
「そ、そうか。なら、良かった」
「ああ、私は今とても幸せです。私を産んでくださったお母様に感謝しないといけませんね。スキップ、スキップ、らんららー♪」
なんだろう。無邪気すぎて逆に怖い。
これから何か起こりそうだ。




