一番は私です
試作品3号こと、みっちゃん(人造妖怪)が僕を独占していたのが原因で他のみんなの怒りがマックスに達してしまった。
まあ、朝から晩までイチャついている様を見せつけられたら大抵の人たちはイライラする。
まあ、みんな人じゃないんだけどね。
どうすれば、みんなのイライラを解消できるのか的なことを訊ねると、みんなは口を揃えてデートをすればどうにかなると思う的なことを言った。
僕はデートよりみんなで同じ場所に行きたい派なのだが、みんなは真剣な眼差しでデートの順番を決め始めてしまった。
もうこれは何をしても僕はみんなとデートをする羽目になるなー。
はぁ……やれやれ。
「で? 順番は決まったのか?」
「はい、決まりました。一番は私です」
「童子が一番か。てっきり最後かと思ってたよ」
「最後? とりあえず真っ先に既成事実を作っておけば、あなたは私に夢中になります。最後なんて誰も望みませんよ」
「そうか? 別に順番なんてどうでもいいと思うけどなー」
「あなたは本当に乙女心が分かっていませんね。もう少し夏樹さん以外のことも考えてください」
うーん、それは無理だなー。
「ああ、うん、まあ、そのうち」
「はぁ……やはり無自覚なシスコンは厄介ですね」
「ん? 今なんか言ったか?」
「いえ、何も。では、私はデートプランを考えますので今日はこれで失礼します」
「ああ、うん、お疲れ様」
デートプランかー。
こういうのって普通、男が考えるものじゃないのかなー。
うーん、まあ、いいか。




