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愛は必要

 契約か……。

 えっと体の相性が良くて、お互いのことを信頼していないとできないもの……だったかな?

 そうか、みっちゃんは出会って間もない僕なんかと契約したわけだな。

 そんなのわけの分からない書類にサインするようなものじゃないか。

 なあ、みっちゃん。どうして僕を選んだんだ?

 僕はそんなことを考えながら自室のベッドに横になった。


「お兄たん、気持ちよかった?」


「ああ、いいお湯だったよ……って、どうしてリビングのソファでまったりしているはずのみっちゃんがここにいるんだ?」


「知らないの? 契約するとそばにいたいと思うだけで契約している人のところまで移動できるんだよ?」


 便利な機能だな、おい。


「そ、そうなのか。なかなか便利な機能だな」


「そうだね」


 試作品3号こと、みっちゃん(人造妖怪)は僕の首筋に顔を近づけると黄緑色の入れ墨にキスをした。


「これがある限り、私とお兄たんの絆は誰にも断ち切れない。お兄たんの全部は私のものだし私の全部はお兄たんのもの。ああ、お兄たんの体温が私の体を温めていく。気持ちいい、気持ちいいよ、お兄たん。もっと私にドキドキして私を温めて。そして私をお兄たん色に染めて。さぁ、さぁ!!」


「みっちゃん、少し落ち着け」


「あいたっ」


 僕が彼女の頭にチョップすると彼女は僕から離れた。


「痛いのはいらない。でも愛は必要。さぁ、お兄たん。私の抱き枕になって」


「はいはい」


 僕が彼女を抱きしめると彼女は幸せそうな笑みを浮かべたまま寝息を立て始めた。

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