↓ ↑ページトップへ
表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
PR
56/1950

説得

「二人とも、とりあえず落ち着けよ」


 僕がそう言うと、二人はゆっくりと頷《うなず》いた。


「よし、じゃあ、とりあえず二人はお互いの顔を見るな。面と向かって自分の気持ちを相手に曝《さら》け出してるから、殺し合いに発展しそうになってるんだろ?」


『それは……まあ……そう……かな……』


 二人はゆっくりと立ち上がると、お互いの顔が見えないように背中合わせになった。

 その後、スッとその場に座った。

 よし、これでなんとか、まともに話ができるな。


「えっと、まあ、鬼姫《きき》は僕の相棒というか、体の一部みたいなものだから、僕が死ぬまでこの世に存在し続ける。まあ、正しくは僕の子どもが生まれるまでは……だけどな」


「え? じゃあ、雅人《まさと》の子どもが生まれたら、雅人《まさと》は普通の人間になれるの?」


 おい、羅々(らら)。今のはスルーしろよ。

 まあ、ツッコミたくなる気持ちは分からなくはないが。


「まあ、そうだな。なあ? 鬼姫《きき》」


「ええ、そうよ。まあ、それがいつになるのかは分からないけどね」


 上から目線やめろ。

 殺し合いに発展しそうになるから。


「はぁ……まあ、あれだ。こいつとは長い付き合いになるから、みんなもそのつもりでいてくれよ?」


「みんなは良くても、私は一生、こいつのこと嫌《きら》いでいられる自信があるよ」


 だからさ、何でお前はそこまで鬼姫《きき》に対して敵意を剥《む》き出しにするんだよ。


「奇遇《きぐう》ね、あたしもよ」


 二人は「ふん!」と言うと、スッと立ち上がった。

 鬼姫《きき》は僕の体の中に隠れると、愚痴《ぐち》を言い始めた。


「えーっと……まあ、あれだ。あんまり気乗りしないかもしれないけど、あれであいつは可愛いところもあるんだよ。だから……その……」


「殺し合うな……でしょ?」


 心を読まれた?

 いや、それはないか。


「ま、まあ、そういうことだ」


「分かったよ。雅人《まさと》がそう言うのなら、私はそうするよ」


 彼女はそう言うと、手招きをした。


「ん? なんだ?」


 僕が彼女に近づくと、彼女は僕の額《ひたい》にデコピンをした。


「な、何すんだよ!」


「別に。ただちょっとムカついただけ」


 な、なんだよ、それ……。

 そんな感じで二人が殺し合いを始めるのを阻止することに成功した。

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。