姉妹力全開!
試作品3号は台風と一つになっている……はず。
ということは、台風のどこかにいるはずだ。
家の屋根の上に登った僕たちはどうやって台風に近づくか考えていた。
「雅人よ、お前の中にある各都道府県の代表妖怪たちの力でなんとかできないのか?」
試作品1号こと、ひーちゃん(人造妖怪)が放った一言でその問題はあっさり解決した。
「うーんと、山口県代表の次第高の力を使えばなんとかなるかもしれないな」
「おー、そうか! では、さっそく……」
「でも、試作品3号がいるところまで大きくなれるかどうか分からないんだよなー」
「それなら大丈夫だ! 私たち四人が力を合わせればどうにかなる!!」
お前は本当に妹たちのことが大好きなんだな。
まあ、僕もひーちゃんと同類だけど。
「よし、じゃあ、今から力を使うからみんなは僕のことを見上げてくれ」
『了解!!』
僕が『次第高』の力を使うと、僕の身長はいつもの百倍以上になった。
「空気が薄いな。けど、これでなんとかなりそうだ。さぁ、みんな僕の手の上に乗って」
「ま、雅人よ、その……下腹部に手を当てた方がいいぞ」
「え? 下腹部? あっ……」
まあ、服まで大きくなるわけないよな。
僕は下腹部を手で隠してから彼女たちをもう片方の手の平の上に乗せた。
「雅人よ! 私たちを台風まで投げてくれ!」
「分かった。でも、台風の中ってかなり危険だぞ?」
「おそらく試作品3号は台風の目にいるから大丈夫だ。それに私たちは人造妖怪だ。そう簡単にやられはしない」
「そうか。じゃあ、行くぞ」
「ああ!」
四人が手をつないだのを確認すると、僕は四人を台風の目めがけて投げた。
「いっけえええええええええええええええええ!!」
四人は無事、台風の目に到着。
四人は手をつないだまま、四人は自身の力を解放した。
「火よ!」
「水よ!」
「光よ!」
「闇よ!」
『その力であらゆる厄災を消し飛ばせ!』
『姉妹力全開! くらえ! 全身全霊超絆光線!!』
四人の体から放たれた光線は四人が回転しているおかげで台風をうまく消し飛ばした。
 




