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試作品4号

 ひーちゃんいわく、ひーちゃん(人造妖怪)の妹がこの近くにいるらしい。

 僕はひーちゃんと共に近くの公園に向かった。

 すると、そこには光がいた。


「あっ! もしかしてお姉様ですか?」


「あ、ああ、そうだ。というか、まぶしい! とりあえずこの光をなんとかしろ」


「あー、ごめんなさい。お姉様」


 彼女は光るのをやめると自己紹介をした。


「私は光を愛し光に愛されている光の、試作品4号です! これからよろしくお願いします!」


 金髪ロングと金色のひとみと金色のドレスが特徴的な美少女……いや美幼女はニコニコ笑いながらそう言った。

 このが試作品4号か。よし、よーちゃんと呼ぼう。


「よろしく、試作品4号。ようやく会えたな」


「そうですねー。ところでそちらの男性は誰ですか? お姉様の恋人ですか?」


「ち、違う! 雅人まさとは私の……と、友達だ」


「友達?」


「あ、ああ、そうだ。雅人まさとは私の友達だ」


「へえ、そうなんですかー。ふーん」


 あれ? なんかこっち見てる?

 僕なんかしたかな?


「ところでお姉様は今どこに住んでいるのですか?」


「え、えーっと、ま、雅人まさとの家だ」


「ねえ、お姉様。お姉様はこの男と同じ屋根の下で暮らしているのですか?」


 ん? なんか雰囲気変わったぞ。

 あー、なんだ。雨雲が空を覆い隠しているだけか。


「え? あー、まあ、そうだな。ちなみに試作品2号は私より先に居候していて雅人まさとのことは『ご主人様』と呼んでいるぞ」


 あれ? 今なんか堪忍かんにんぶくろが切れた音がしたぞ。


「お前、お姉様に何をした?」


「え? それって僕に言っているのか?」


「そうだ! お前に言っているんだ! お姉様にいったい何をした! 答えろ!!」


 ひーちゃんは僕の手を強く握っている。その手は少し震えている。不安や恐怖、怒りを感じているせいで体が反応してしまっているのだろう。

 僕はこれ以上、よーちゃんを怒らせないように本当のことを言った。


「友達が困っていたから助けた。ただ、それだけだよ」


「本当か? もし、お姉様に手を出していたらこの場でお前を八つ裂きにするぞ?」


「本当だよ。もし信じられないのなら、今すぐそうしてくれて構わない」


雅人まさと! そこまで言わなくても!」


「分かった。まあ、しばらくは様子見だな。今日から世話になる」


「うん、よろしくね」


 僕がそう言うと彼女はころっと表情を変えた。


「さぁ、お姉様! 早く家に帰りましょう」


「え? あ、ああ、そうだな」


 このはお姉ちゃんのことが大好きなんだな。でも怒ると怖いから、しばらくおとなしくしておこう。

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