ムニャムニャ
朝、目を覚ますと座敷童子の童子に抱きしめられていた。
あー、そういえば昨日は同じベッドで寝たんだったな。
「おい、童子。朝だぞ、起きろ」
「……ムニャムニャ……あともう少しだけ……」
なんで寝てる時はこんなにかわいいんだろう。
というか、いつもこれくらいかわいければいいのに。
「おーい、童子さーん」
「……ムニャムニャ……雅人さーん」
なんだ? 夢の中に僕がいるのか?
「あっ、雅人さんそこはダメですよー」
は? ちょ、夢の中の僕はいったい何をしているんだ?
「はぁ……仕方ない。脇の下をくすぐろう」
僕がそれを実行しようとした時、童子は僕の唇にキスをした。
え? え? ちょ、なんだ? これ。
なんで僕は童子に……って今はそれどころじゃない!
い、息ができない! マズイ! マズイ! マズイ!
童子は僕の背中に手を回してガッチリ抱きしめている。
ものすごい力だ。このままでは僕は窒息死してしまう。
僕が必死に童子から離れるために奮闘していると夏樹(僕の実の妹)がやってきた。
「お兄ちゃーん! 朝だよー! 起き……な、な、なななななな、何してるんじゃボケェ!!」
夏樹の黒い長髪が童子の体を拘束し、そのまま持ち上げる。が、彼女は僕を離そうとしない。
「今すぐ離れろ! このジト目クールロリ! ロリババア! コケシ!」
夏樹は童子が僕から離れるまでぶん回した。
童子が目を覚ましたのはそれが始まってから数秒後のことだった。




