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心の空

反転はんてん 竹刀しない』さん。

 彼女は悪魔だ。普段はオドオドしている。

 だが、彼女の中には違う人格がある。

 暴力的で凶暴で口が悪く、交戦的な人格。

 彼女はそれをなんとかしてほしくて僕に依頼をした。そこまでは分かっている。

 だが、あの告白については何も分からない。


「……あ、れ……私、今まで何して……」


「お兄ちゃん! キスなしで眠り姫が目覚めたよ!」


「おう、そうか。竹刀しないさん、体の調子はどうかな?」


 ここは……保健室?

 私、どうしてこんなところに。

 えっと、たしかもう一人の私が暴れ出して、それから。


「あっ、はい、大丈夫です」


「そっか。それは良かった。さっきはごめんね。お腹痛くない?」


「え? あー、はい」


「そっか。じゃあ、色々と教えてもらってもいいかな? 特にあの告白について」


「あー、あれですか。あれは……その……」


 彼女は言った。あれは自分の本心だと。

 だが、夏樹なつき(僕の実の妹)のせいで今日までその恋心を僕に打ち明けることができずにいた。

 そんな彼女の中で生まれたのが、あのブラック竹刀しないだ。

 なんというか邪魔者を排除および僕と戦うことによって恋を成就じょうじゅさせようとしていたらしい。

 あまりにも強引すぎるが、普段の彼女では到底できない。

 だから、ブラック竹刀しないが生まれたのだ。


「話はだいたい分かった。それで君は今でも僕と恋人になりたいと思っているのかな?」


「私の勘違いでした」


「え?」


「私の好きは人としての好きでした。もう一人の私があなたと戦ってくれたおかげではっきりしました」


「そっか。ラブじゃなくてライクの方だったのか。なるほどね。じゃあ、これで一件落着かな」


「はい!」


 彼女のその笑顔はとてもまぶしかった。

 心の空にかかっていた暗雲が一斉にどこかに飛んでいってしまったかのような、そんな感じだった。

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