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ぷにぷに

 昼休み……保健室。


「失礼しまーす」


「おー! 雅人まさと! ようやく来たか! 待ちくたびれたぞ!」


「あっ、ご主人様。いらっしゃい」


 僕が保健室の扉を開けるとベッドのそばに人造妖怪のひーちゃんとふーちゃんがいた。

 ひーちゃん(試作品1号)は火を操ることができ、ふーちゃん(試作品2号)は水を操ることができる。

 他にも姉妹がいるようだが、あと何人いるのかはまだ分からない。

 これはあくまで僕の予想だが、最低でもあと3人くらいはいそうだ。


「では、さっそく始めようか。雅人まさとよ、とりあえずベッドに横になれ」


「お姉ちゃん、ご主人様に命令口調なのはどうかと思うよ」


「ふむ、それもそうだな。では、これならどうだ? すみやかに私たちのところまで来てほしい、頼む」


「それはちょっと丁寧すぎるよ」


「そうか。では……早くこっちにおいでー♡」


「うん、それでいいと思うよ」


 ふーちゃん、なんかお姉ちゃんで遊んでないか?

 まあ、いいや。

 僕がベッドに横になると、二人は僕の両サイドに横になった。


「まさか二人ですることになるとはな」


「別にいいでしょ? 私もしたいんだから」


「普通は断固拒否するが可愛い妹の頼みだからな、今回は特別に許可しよう」


「ありがとう、お姉ちゃん。これからも優しいお姉ちゃんでいてね」


「や、やめろ! 私はあまり褒められるのに慣れていないのだ! 頭が沸騰してしまう!」


「え? そうなの? じゃあ、もっと褒める。かわいい、優しい、賢い、カッコいい、きれい、ぷにぷに」


「やめろ! やめるんだ! 妹よ! 頭がおかしくなる!」


「おかしくなっちゃえー」


 え、えっと、僕はここにいていいのだろうか?

 かわいい姉妹が仲良くじゃれあっているこの幸せ空間にいてもいいのだろうか?


「あ、あのー」


「おー、すまない。耳かきのことをすっかり忘れていた」


「もうー、しっかりしてよ、お姉ちゃん」


「すまん、すまん」


 あれ? ふーちゃんがひーちゃんをいじらなければ、僕は今頃二人に耳かきをしてもらっていたはずだよな?

 もしかしてひーちゃん、それに気づいてないのか?

 そして、ふーちゃんはひーちゃんがそれに気づかないということを知ってていじってたのか?

 ま、まあ、これ以上考えても仕方ない。

 とにかく今はおとなしくしておこう。


雅人まさとよ、準備はいいか?」


「お、おう」


「ご主人様、いっぱい気持ちよくなってね」


「う、うん」


 ふーちゃん、その言い方は誤解されるからやめようね。


「では!」


「それじゃあ」


『耳かき開始ー!』


 こうして人造妖怪二名による耳かきが始まった。

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