妹探し
放課後……下校中。
「なあ、ひーちゃん」
「なんだ? 雅人」
僕の体内にいる試作品1号こと、ひーちゃんは僕がなぜ苛立っているのか分からないようだ。
「夕方には元に戻るって言ってたよな?」
「あー、もしかすると今夜……いや、明日の朝かもしれないなー」
「はぁ!? ふ、ふざけるな! 早く僕の中から出て行け!」
「まあ、落ち着け。別に私がいるせいで死期が早まるというわけでもないのだから」
「そ、それは……まあ、そうだな」
人造妖怪。
なんだか僕と少し似ているな。
妖怪なのか人間なのかよく分からないところあるし、ちゃんと感情あるし、それに……か、かなりかわいいし。
「雅人よ」
「な、なんだ?」
「寄生している状態で言うべきことではないが、私の妹探しを手伝ってくれないか?」
「し、妹探し?」
「ああ、そうだ。私が昼休みに言った夢は正直どうでもいい。だが、死ぬまでに一度でいいから妹たちの顔を見ておきたいのだ」
「ひーちゃん……」
基本バカだけど妹のことが絡むと性格変わるんだよな。
まあ、それは僕も同じか。
「いいよ」
「え?」
「手伝ってやるよ。妹探し」
「ほ、本当か? 本当にいいのか?」
「ああ、いいぞ。けど、さすがに今から海外に行くのは無理だぞ?」
「それは大丈夫だ。妹たちの波動は日本から発せられている。だから、いずれ会える」
「そうか。早く会えるといいな」
「ああ」




