一歳
その日、本当に鱚のフライが出てきた時は驚いた。
童子、お前なかなか面白いな。
僕はそんなことを考えながら鱚のフライを食べた。
僕はシッポを食べない派だが夏樹(僕の実の妹)は後頭部にある口でバリバリとシッポを噛み砕いていた。
うんうん、これでこそ『二口女』だな。
「ごちそうさまでした」
「ご主人様」
「ん? なんだ? ふーちゃん」
人造妖怪のふーちゃんは僕の手を握ると少し頬を赤く染めながら、こう言った。
「い、一緒に……お風呂、入ろう」
「ああ、いいぞ……って、いやいやいやいや! それはいくらなんでも……」
「ダメ?」
うっ……! なんでそんなに期待してるんだよ!
そんな目をされたら断れないじゃないか。
「え、えっと、その……」
「ご主人様、お願い」
「う、うーん……夏樹は今でもたまに一緒に入るし、童子は僕より年上だから別にいい。けど、ふーちゃんは……」
「私のどこがダメなの? ちっちゃいから?」
「うーん、それはあんまり関係ないかな。ほら、うちにいるのってだいたい僕より小さいから」
「そっか。じゃあ、どうして一緒に入ってくれないの?」
「えっと、ふーちゃんは自分のこと何歳くらいだと思ってるんだ?」
「えっと……分からない。カプセルン、何か知ってる?」
しゃべるカプセルは彼女にこう告げる。
「一歳ダ」
「え?」
「一歳ダ……」
「そ、そんな……! 私、そんなに若かったの!?」
「アア」
「ご主人様、私まだ一歳なんだって」
「一歳か……。まあ、年の割にそこそこ背高いからオッケー……かな?」
「本当!?」
ま、まあ、精神年齢は夏樹より高そうだから。
「あ、ああ、本当だ。よし、じゃあもう少ししてから入ろうか」
「うん!」
うわあ、あんなに目を輝かせてるよ。
これはもう断れないな。




