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全身真っ赤

 その日の夜、夢を見た。

 一言で言うと……真っ赤だ。

 どこを見ても赤しかない。

 僕以外、全てが赤い世界。

 変な世界だな。

 本当に変な世界だ。

 誰かいないかな。まあ、いないだろうな。

 こんな変な世界に人なんているわけが……。

 それは突然、僕の目の前に現れた。

 僕の頬に両手を添えている髪の長い少女。

 その少女は全裸でなおかつ全身真っ赤だった。

 その少女は僕の顔を優しく撫で回すと顔をぐいと近づけた。

 彼女は何かをのぞき込むように僕を見ている。ち、近い。近すぎる。もう少しでキスできるぞ、これ。

 彼女は何かに気づくと僕の口の中に入った。

 体を液体のようにしてから僕の体の奥の方に向かった。

 痛くはない。吐き気もない。体がそれを異物だと認識していない。

 なんだ? 急に体が……火照ほてって……。

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